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ベトナム語の方言は、北部方言、中部方言、南部方言の三つに大別され、
それぞれハノイ、フエ、ホーチミン市(サイゴン)を標準とする。
このうち中部方言は他の両者と比べ音韻、語彙の両面にわたる差異がもっとも大きく、次いで北部と南部が対立する。
これは、歴史的にハノイとフエが鄭氏と広南阮氏の分立以来の対抗の歴史を持っているのに対し
、南部が18世紀末以降初めて領域に入った「新開地」であるためである。
しかしフランス植民地化以降サイゴンは「東洋のパリ」と称される大都市に成長し、1975年のサイゴン陥落までハノイに対立する政治的経済的中心であり続けたため、
現在のベトナム語においてもハノイ方言とサイゴン方言とはほぼ同等の威信をもって並立しており、音声メディアにおいてもサイゴン方言はハノイ方言と並んで使用されている。
歴史の節で述べたとおり語彙には漢字語が多いが、
固有語の形態素も形態上は漢字語根と同様単音節から成り立ち、
自立語としての造語力をもっており、現在でも漢字語、固有語双方の形態素を用いた語彙が並立している。
ただし造語にあたっては、固有語の場合は文法に従って修飾成分を後置するのに対し、漢越語は中国語からそのまま借用したため、修飾成分は前置されたままである。
語順はSVO型(主語-動詞-目的語)である。
修飾語が基本的に被修飾語の後に置かれる点は、オーストロ=アジア語族の言語をはじめとする東南アジアの多くの言語と共通である。
たとえば、「越南社会主義共和国」は、「nước Công hòa Xã hội chủ nghĩa Việt Nam(国-共和-社会主義-越南)」となる。
古典的類型論からみると孤立語的特徴をもっており、
形態変化をせず、接辞をあまり用いず、統語的関係はもっぱら語順によって表されること、
使役、受動を動詞に先行する前置詞句構文で表すこと、
動詞に補語を後置して動作の方向や結果を表すこと、
事物の存在を表すための特別の構文が存在することなどは、中国語(普通話)と共通する特徴である。
一方、修飾語の後置(前述)や前置詞句が通例動詞の後に置かれることなどは中国語と異なり、東南アジアの諸言語と共通している。
一人称複数の人称代名詞に聞き手を含む包括形(chúng ta)と聞き手を含まない除外形(chúng tôi)が存在することは、中国語、東南アジアの言語双方に共通する特徴である。
なお二人称代名詞は親族呼称で置き換えられており、また三人称形はほぼ二人称形からの派生形(「その」を表すấyを後置する)で代用される。一人称形も中立形(tôi)より聞き手との関係に即した親族呼称を用いる方が普通であり、したがって人称代名詞専用の語が存在しない。
通常東南アジア大陸部の言語はインド文化の影響を受けているが、
ベトナム語は例外的に日本語・朝鮮語と同様に中国語と漢字文化の強い影響を受けている。
系統的にはシナ・チベット語族とタイ・カダイ語族ではなく、
オーストロ・アジア語族に属すると解することが一般的である。
この説に従えば、話者数でクメール語(カンボジア語)を上回るオーストロ・アジア語族で最大の言語ということになる。
また、周辺の多くの言語の影響を受け、声調言語になった。
ベトナム語はベトナム人の心そのものだといわれています。
つまり、ベトナム人のものごとの考え方やとらえ方を反映しるというのです。
また、ベトナムの伝統文化が込められています。
さらに言うと、ベトナム社会を写し出しているとも言えるでしょう。
ベトナム語を学ぶときに表現的な様々な違いに出会うことでしょうが、
そういうときにはベトナム文化のことを思い返してみてください。
その一つに、同じ漢字文化圏の国として、ベトナム語には中国語からの外来語である漢越語がたくさんあり、いろいろな場面で使われています。その使われ方に注目していくのも大変興味深いと思います。